監修・執筆 新井 誠|人材採用コンサルタント
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ホワイト企業では長く勤め面接官を任されるようになり、多くの転職希望者を見てきました。
その転職希望者の中でも特に志望動機の段階で「この人が欲しい!」と思うことがあります。
なんなら「他社に取られる前に採用を出したい!」と思うこともあります。
だいたいそういう人は転職市場で人気が高いので他社に取られたりもします。
面接官に(この人が欲しい!)と思われる志望動機とはどのようなものなのかを解説します。
面接官に(この人が欲しい!)と思わせる志望動機3つのポイント
志望動機は面接で自己紹介の次に聞かれるか、自己紹介と一緒に聞かれることが一般的です。
志望理由は会社が好きな理由ではありません。
私はどんな能力があり、その力を使ってこんな貢献ができ、私が実現したいのはその会社だからこそ私が御社に入社する価値があるということを面接官に伝えることができれば興味を引くことができるでしょう。
応募企業が今求めている人材がどんな人材なのか理解する
面接官はあなたが自社の求めている人材かどうかが知りたいのであって、自社を好きになった理由を聞きたいわけではありません。
会社はあなたをを採用して、あなたに業績を上げて会社の利益に貢献してもらわなければいけないのです。
志望動機を作り込む際は、応募企業がどのような人材を求めているのかを最初に理解することから始めましょう。
募集をかける理由は企業により様々です。
優秀な転職希望者は企業が募集をかける理由を正確に理解しており、選考書類や面接の内容にうまく盛り込んでいます。
応募企業が募集をかけている理由を理解すると面接冒頭の自己紹介をはじめ、PRすべきことが何なのかが分かります。
そのためには応募企業の企業研究が不可欠です。
以下のような企業研究を行うとより具体的に志望動機を伝えやすくなります。
- ホームページや会社案内・商品カタログなどの確認
- ショールーム、店舗、商品の確認
- OB・OG訪問
特にOB・OG訪問を行うと、さらに具体的に求める人材に関する情報を得られるかもしれません。
その具体的情報に基づき志望動機を改善していきましょう。
企業がどのような人材を欲しているのかを知っているのは、転職エージェントの担当者です。
転職エージェントは企業の採用担当者から、どのような人材が欲しいのかをヒアリングしています。
転職エージェントから求人の紹介を受けた時点で、すでにあなたの経歴は応募企業が求める人材と合致しています。
あなたが利用する転職エージェントは、常日頃から応募企業の担当者と接触しており、あなた以外にも条件の合う転職希望者を紹介していることでしょう。
キャリアアドバイザーは原則として転職希望者と公平に接しますが、キャリアアドバイザーも一人の人間。
頑張っている求職者には、つい力が入ってしまうものです。
キャリアアドバイザーと常日頃からコミュニケーションを取り信頼関係を構築しておきましょう。
求人件数No.1の転職エージェント『リクルートエージェント』については『グラフで解説!リクルートエージェント3つの特徴!求人の質や年収アップ、転職した人の口コミ・評判は?』で詳しく解説しています。
抜けているパズルにジャストフィットする人材こそが私である
さて、応募企業が求めている人材を理解したあなたが次に行うべきことは、あなたこそが応募企業の求めている人であることを示すことです。
という志望動機を作り込みます。
- 専門知識と営業経験のある人が少ない会社→専門的な学校を卒業しており営業経験3年がある
- 英語と営業両方の経験がある人が少ない会社→TOEIC800点以上と営業経験3年がある
- 課長クラスが辞めたため代わりの人材を探している会社→プロジェクトリーダー、マネジメントの経験がある
なぜ自分が貢献できるのかという根拠を示すのです。
その上で転職後に「このような仕事がしたい」と具体例を挙げれば面接官はその人が自社に転職してきたあなたの仕事ぶりをイメージすることができます。
自己分析で棚卸したあなたの経験やスキルの中から面接官が興味を持つであろうものを選定し、ストーリーを作りましょう。
応募企業だからこそ入社したい意思がある
ネットが発達した現代ではウェブエントリーで簡単に応募できる現状もあり、採用担当者はネット検索などで出てくる例文のような志望動機は見飽きています。
適当なそれっぽい志望動機を書いて万が一面接に進メタとしても、いざ企業分析をしてみたら実際の志望動機とズレが生じることも考えられます。
ありきたりな志望動機が溢れる中で、しっかりと企業研究を行なった形跡があり自社への強い思いが感じられる志望動機は採用担当者のよう気を引くことができるでしょう。
企業分析を行ったあなたは、具体的な商品名や企業の固有名詞を交えて話ができるはずです。
固有名詞が出るということは、応募企業に時間をかけて企業分析を行っているということであり、採用担当者の気を引くことができます。
こんな志望動機はダメ!
もしあなたが面接官で転職希望者が以下のような志望動機を語ったらどう思いますか?
私が面接官であれば以下のように感じます。
御社の将来性に惹かれたため志望しました。→具体的にどんな将来性?
貴社の企業理念に感銘を受け志望致しました。→どの会社の面接に行っても言ってるんじゃないかな・・・
御社の製品が大好きでいつも購入しており志望しました。→うちの製品を好きなのはいいけど、どう貢献してくれるのかが知りたい・・・
御社で◯◯を学びたいと考え志望しました。→学ぶことよりも、どう貢献してくれるのかが知りたい・・・
以下のようにその会社特有の固有名詞を出し、自分の経験とスキルを応募企業で活用してどのように活躍するのかを明確にすると、面接官も納得しやすいです。
御社が開発された商品◯◯は非常に社会貢献度が高く多くの企業で採用されています。
私の経験とスキルをもとに今まで御社が進出していなかった◯◯の市場などにさらに広めることができればと考えております。
サイト管理人の志望理由
私は理学部化学科を卒業し、ブラック企業に入社して3年間営業をしていました。
その後転職エージェントdodaを利用して化学品を扱う専門商社への転職に成功するのですが、その時の志望理由の要約は以下の通りです。
私は理学部化学科を卒業しており、特に有機化学の基礎を理解しております。
理学部化学科を卒業した後は機械商社の営業を3年勤めましたが、化学の知識と営業経験を活用し御社の利益に貢献をしたいと考えております。
御社のホームページを拝見したところ私の有機化学の知識を活用できる化学製品だけでなくその化学製品を使うための機械も取り扱われているとのことで、まさに私の知識と経験を全て活用できる御社で是非働かせていただきたいと考え応募いたしました。
実はこの志望動機は、転職エージェントのキャリアアドバイザーとともに作り上げたものでした。
私は最初はブラック企業に勤めながらも営業成績をあげていた実績を強調しようと思っていたのですが、化学品商社に対して強調すべきは化学の知識+機械営業3年の経験+第二新卒の組み合わせだったのです。
キャリアアドバイザーに志望動機を相談しなければ面接官の心に響く志望動機は語れなかったでしょう。
管理人が利用した転職エージェント『doda』については『グラフで解説!dodaは事務職の転職に強い!?正社員、未経験OKの求人は?口コミ・評判を集めてみた』で詳しく解説しています。
最後に
志望動機に限らず面接の際は具体的な話を出しましょう。
神は細部に宿るのです。志望動機は企業分析をしていなければありきたりなものになってしまいライバルと差をつけることができません。
自己分析と企業分析をしっかりと行い、志望動機に活用しましょう。
面接前には転職エージェントで模擬面接を行うことをお勧めします。
もし志望動機が面接官に響きそうでない場合は指摘し改善のお手伝いをしてくれます。