監修・執筆 新井 誠|人材採用コンサルタント
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かつては世界を席巻した日本のものづくり。
しかし気がつけば日本の家電業界は海外勢に抜かれています。
品質は負けてはない!と思いたくても決めるのは消費者。
家電量販店の商品の陳列を見ればその勝敗は一目瞭然です。
それでも大きな変革は見られない日本の家電メーカー。
このままこの業界に居続けていいものか悩みますよね?
私は日本の電機メーカーとも中国の電機メーカーとも何度も打ち合わせをしてその違いを認識しました。
中国の電機メーカーは巨大化はしているものの内部体制は整っておらず賄賂や独断が横行していますが、上司のハンコがなければ動かない日本企業と比べるとスピードが違います。
本記事では日本の家電業界にいるあなたの悩みを深掘りして、あなたが転職できる可能性のある3つの業界についてお伝えします!
家電業界を辞めたい3つの理由
日本の家電業界は危機的状況にありますが、ずっと家電業界にいると比較対象が見えないためなかなかその状況を実感できません。
しかし海外メーカーはどんどん成長しています。
日本メーカーに身を置きながら危機を感じていないということは、痛みを感じないナイフで身を削られているようなものです。
①日本の家電業界は先行きがよく無い
日本の家電量販店に行っても海外の家電量販店に行ってもまず目につく家電は中国製です。
日本にある家電付きアパートでも据付の冷蔵庫・洗濯機・エアコンは中国製か韓国製。
かろうじて日本製なのは単価の安い電子レンジくらいです。
品質が悪いのかと言うとそうでもない。
もはや家電の基本的な技術はコモディティ化しているのです。
日本の電機メーカーが海外赴任しても自分の暮らす家の家電は海外製と言う屈辱。
これから中国・アジアでは経済成長に伴い、家電が爆発的に売れていきますが果たして中国・アジアの人に日本の家電製品は選ばれるのでしょうか?
あまりに過剰に品質を重視する日本メーカーは海外の家電のような価格帯の商品を作り出すことは難しいでしょう。
日本の家電メーカーは既にグローバル市場で戦っています。
世界で売れなければあなたの給料が増えることはありません。
グローバル社会での戦いに敗れた日本企業は中国や台湾の巨大資本に飲み込まれます。
あなたの会社がグローバル社会での戦いに敗れるとあなたは中華系の会社の社員になる可能性が高いですね。
②旧態依然とした会社の体制
これだけ危機的状況でも会社は大胆な改革ができずにいます。
一度上げてしまった品質基準は戻すことができず、過剰品質になりコストアップの要因になっています。
この過剰品質を見直してコストダウンを図らなければ海外メーカーと戦うことなんてできないのに、もし自分が見直しを言い出して品質問題が起これば責任問題。
大手電機メーカーの多くの人はそのように思っています。
確かに日本の大手メーカーが数年で潰れることはないでしょう。
しかし100歩譲ってそう思っていいのは50代までです。
20代30代40代は定年までに会社があるかどうかかなり怪しいものです。
それは既に海外メーカーに買収された他社を見ていれば分かりますよね?
一丸となって改革に望まなければならないのに、部署同士の繋がりがなく縦割りになっている会社は黄色信号です。
あなたの会社で同じ製品を担当しているのに他部署のことは知らんふり、なんて風潮ありませんか?
③部署替えが多くて専門性が確立できない
中には昔からその部署に居続けているらしい人もいますが、早い人だと2年で部署が変わります。
大きな会社って何を基準に部署替えされているのかよく分かりませんよね?
あまりに頻繁に関連性のない部署に配置換えされると専門戦も身に付かず将来設計も難しくなります。
あまりに専門性が身につかない部署に配置換えされて、その後部署が変わる可能性が低いのであれば転職を検討したくもなります。
家電業界から転職できる3つの業界
家電メーカーから未来ある業界に転職したいものの、家電業界のキャリアでどこに転職できるのでしょうか?
このまま家電メーカーに居続けてもジリ貧なのであれば他の業界に転職するしか有りません。
日本の他の家電メーカーに転職しても、他の業界に転職するほど劇的な変化はないでしょう。
①家電以外のメーカー
日本の電機メーカーの事業は家電だけに限らず重電・スマートグリッド・自動車と多岐に渡ります。
部署が変わるだけで転職するのと同じくらいの効果を得られることでしょう。
転職の前にはダメ元で部署替えができないものか調査をしてみましょう。
さてその上で日本にある他のものづくり業界への転職を考えてみましょう。
自動車業界は家電と並んで日本のものづくりを代表する業界です。
特に人の命が関わる部品の関係は品質管理が世界トップレベルに厳しくなります。
日本の自動車メーカーが採用している材料ともなるとそれだけで信頼性があり自社で試験をするまでもなく採用になることがあるほどです。
競合は中国ではなく、欧米と韓国。
中国にも自動車メーカーはありますが品質がまだまだ追いついていません。
中国から見て大手の外資系企業と合弁会社を作り技術を吸収している段階です。
近い将来、家電と同じように中国もそこそこの品質で低価格の自動車を売り出すことでしょう。
ちょっと余談になりましたが、日本の車メーカーは海外で十分に戦えています。
また家電業界の川上のメーカーも転職の対象となる業界です。
あなたは家電業界がどのような材料をどのような価格帯で欲しがっているのかを知っています。
家電業界の知識と経験を持って電子部品メーカー・化学材料メーカー・産業用機器メーカーなど取引先の業界に転職する人は結構います。
dodaやパソナキャリアは転職エージェントの中でもメーカーの求人を中心に取り扱っていますので、登録して面談(カウンセリング)だけでもしておけば良いでしょう。
②IT業界
もしあなたが技術職なのであればIT業界のシステムエンジニアへの転職も検討ができます。
IT業界はメーカーに比べると給与水準も高く、専門職への転職であれば大きく給与が下がる可能性が低いでしょう。
IT業界の中には自社のエンジニアをゼロから育てる企業もあります。
IT業界で専門技術を身につければこれからさらに進むであろうネット社会に適応した人材になれます。
転職エージェント最大手のリクルートエージェントはIT関係で年収も高めの求人が多い傾向にあります。
③家電業界の商社
あなたの会社に商品を納めている商社は家電業界のみが顧客ではなく、自動車や産業機器なども顧客にしている企業が多くなります。
一つの顧客や業界に固執しておらず、商品もトレンドによって変えることができるので時代の変化にも対応しやすい業界です。
商社といっても多種多様であり総合商社もあれば、特定の商品に特化している専門商社などがありますが、中には特定の業界や会社にべったりの御用聞きしかでいないような商社もあります。
顧客に言われた通りの価格と納期で商品を納めることに重きを置いている御用聞き商社は大手の取引先の業績が悪くなったり、倒産すると一緒に業績が悪くなったり倒産したりします。
どの業界に転職する場合でもそうですが、その業界で独自の強さを持った会社を選ぶことが重要です。
最後に
東南アジアの経済がさらに発展し、東南アジアの人々の一般年収がいって水準を超えた時に一気に家電を買い始めます。
その時に日本の家電メーカーの商品が選ばれると思いますか?