監修・執筆 新井 誠|人材採用コンサルタント
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10月は毎年20代の離職者が続出し、その穴埋めで優良求人が出る時期。
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選考書類には自己PR欄があり、面接でも序盤に「自己紹介をしてください」という形で振られる場合がほとんどです。
私は転職した会社では面接官を務め数々の転職希望者の自己紹介を聞いてきました。
自己紹介は面接で最初の関門。
面接をクリアする人はこの段階で面接官の心をつかんでいます。
こうなれば内定はグッと近づきます。
そして面接官の心を掴む転職面接の自己紹介には共通していることがあります。
面接官の心を鷲掴みにする自己紹介・自己PRは3つのポイントについて解説します!
転職の面接における自己紹介・自己PRの3つのポイント
自己紹介は面接の一番最初に行います。
別の形の場合もありますが多くの場合は「1〜2分で自己紹介をお願いします」などと面接官に言われ面接がスタートします。
事前に簡潔にまとめておかなければ魅力ある自己紹介はできません。
面接はコミュニケーションですので用意したことを杓子定規に全部言うのではなく相手が欲しがっている情報もその場で考えながら臨機応変することも重要です。
1~2分と言われているのに容姿していた自己紹介が3~4分かかるものであったがために長々と自己紹介を続けてしまうのはNGです。
さて転職の面接が新卒の面接と大きく違うのは、あなたに社会人経験があるということです。
転職の面接では学生時代のエピソートは必要はなく、学生時代のことは卒業した学校の名前を書くだけで十分です。
転職者に求められる自己紹介は、どんな仕事をしてきてどんな能力があるのか、それをどう転職先で活かすことができるのかと言うことです。
清潔感のある服装と笑顔を忘れずに期待を持たせるたたずまいを心がけましょう。
さあ、その大前提を踏まえた上で面接官の心を鷲掴みにする自己紹介・自己PRの3つのポイントについてお伝えします。
企業のニーズにマッチした経験やスキルを強調して語る
あなたが経験した数々の仕事の中でも特に転職希望先の業務に活かせる経験を中心に話をしましょう。
過去の経歴は全て伝える必要はありません。
面接の時間は限られていますし、重要なのは面接官が興味を引く、すなわち転職希望先の業務内容とマッチした経歴を選択して話をすることです。
自分の経歴と業務内容を伝える中で
と思わせることが重要です。
一番実績が出た前職の話でも転職希望先の業務内容と関係が無ければ
となってしまいます。
保険の営業マンが機械メーカーに転職したいのであれば、商品の話はさほどせずに初訪問から販売までのプロセスや顧客の管理方法などに重点を置くべきです。
と思ってくれたらこっちのものです。
重要なのは会社にとってあなたがどのように貢献できるのかを語ることです。
そのためには自己分析と企業分析が欠かせません。
企業は人材というパズルのピースが抜けており、そこにジャストフィットする人材を求めています。
ビジネスにおいて相手の気持ちを慮ることは基本中の基本ですが、意外とできていない人が多いもの。
でもあなたは相手(企業)の意図を汲み取り自己紹介・自己PRに活用しましょう。
企業は募集要項に求める人材の条件を書いてはいますがそれは必要最低条件。
実際にはさらに細かい要望があり、年齢や性別、さらには容姿など法律上募集要項には書けないこともあります。
他にも専門性の高い商品を扱っている企業であれば関連知識を持っていれば有利となるなど+@の要因がある場合がほとんどです。
あまりに募集要項で条件を絞り込みてしまうと人が集まらない可能性もあります。
そのためある程度募集要項では最低条件を下げているのです。
その細かい企業の要望を知りたいですよね?
企業が求めているパズルのピースに自分の形を変えてゆく、自己分析した自分の経験・スキル中から強調すべき点を抽出するのです。
どうすればこの形が分かるのか。
そのためには企業理念やホームページから企業が自社の社員に求めている基本的な考え方を想像し、募集要項やその企業や業界を研究することによりいまどんな人材が求められているのかを想像します。
転職エージェントに登録しているとこの点は容易に解消できます。
転職エージェントに登録をするとあなたにはキャリアアドバイザーと呼ばれる担当者が付きます。
そのキャリアアドバイザーは日々企業の担当者と打ち合わせを行っており募集要項にはない条件まで把握しています。
転職エージェント経由で紹介された企業であれば企業が求める人材像がより鮮明に分かります。
実績ではなくプロセスを語り、再現可能であることを示す
転職者は即戦力と伸び代を求められますが、それらを面接官に伝えるには実績だけではなく再現可能なプロセスを具体的に伝えます。
例えば営業マンの転職希望者が、前職では利益◯◯◯万円を達成しました!ではなく、どのような心構えで、どのような苦労があって、どのような工夫をして仕事に取り組んでいたのか話しをして、実績は最後にそのプロセスの結果として付け加える程度で構いません。
面接官はあなたが仕事に活かすことの出来るスキルと経験を持っているのかを確認したいのです。
業界や職種が違えど
と印象付けることを心がけましょう。
例えば
電機メーカーに電子部品を販売する電子部品メーカーの営業マンだと、電子部品を販売して更に顧客との関係性を築いた結果、他部署を紹介してもらいその電機メーカー内での自社のシェアを50%以上に拡大させた。
というストーリーだと、扱っている商品は電子部品だけれどもこれは商品が電子部品ではなくても成り立ちます。
電機メーカー内でのシェア50%以上を獲得したのはすごいことですが、顧客に商品を販売した後の人言・信頼関係の構築と言うプロセスがあったからこその実績です。
暗に、私は顧客との信頼関係を勝ち取り尚且つ結果も残しましたとPRすることができます。
「こんなに大きな魚を釣ったことがあります!」ではなく、「どうやったら大きな魚を釣れるか知っています!」という方が重要なのです。
客観性を持たせるために数字を交えて詳細を語る
自分で自分を語るとどうしても主観の話になってしまいがちですが、数字を交えて詳細(ディテール)を語ることにより話が客観性を持ちます。
「信頼しもらった」「喜んでもらった」という話は誰にでもできる話で信用性にかけますし、何よりも聞いていて面白くありません。
と言うよりも、
と言った方が具体的にどんな仕事をしてきたのかイメージがしやすく、転職後のミスマッチも起きにくくなります。
先ほどの魚の話だと、釣れる具体的ポイント、竿のメーカー、餌の種類、時間帯、季節など詳細を語れば自分の話でも
と信用してもらえます。
固有名詞は会社の守秘義務に抵触しない範囲で出すか出さないかを決めましょう。
あまりに前職の情報を話しすぎると、信頼されません。
こんな自己紹介はダメ!
自己紹介はあなたが今まで仕事をしてきた上で得た経験と能力・スキルをPRする場です。
自慢話やあなたのプライベートについては面接官はほとんど興味を示しません。
面接官は自己紹介でPRしてくる経験や能力・スキルを自社でどのように活用できるか、どれほど貢献してくれそうかを見極めています。
ひたすら自分の経歴や実績、頑張りをアピール
経歴を羅列してもどの経歴が転職後に活用できるのか面接官は判断ができません。
また、どうだ!すごいだろ!とばかりに経歴や実績、頑張りを語る転職者も稀にいます。
面接ではあなたの経歴の中から転職希望先に最もあっていると思われる経歴をチョイスして伝えましょう。
転職面接で重要ではない経歴は職務経歴書に任せます。
実績はあくまでプロセスの結果として伝えましょう。
頑張るのはある意味当たり前ですし、数値化できません。
転職の面接で大切なことは、転職希望先の会社にあなたは何ができるのか、そしてそれはなぜなのか、と言うことを考えて面接官に伝えてください。
会社や上司への不満
面接時に今の会社や上司への不満を語る転職希望者がたまにいるのですが、同情を引くことはできても内定に近ずくことはできません。
ましてやあなただけの話、片方の話だけで信用するのは難しいものがあります。
と思われてしまうとまず受かりません。
たとえ本当にブラック企業に勤めていたとしても、会社や上司の悪口を言わず前向きな言葉のみを使うようにしましょう。
最後に
簡単なようで詰めるときりがない自己紹介・自己PR。
でも自己紹介・自己PRの内容が大したことがないとその後の話がいくらしっかりしていても説得力に欠けます。
私は御社にぴったりの人材なんですよ!と言うエッセンスを山盛りにした自己紹介・自己PRを組み立てて面接に挑みましょう!
転職エージェントでは模擬面接や面接の内容についての相談もできます。
自己紹介はどの企業に面接に行っても必ず行います。
自己紹介を作り上げたらあなたの担当者となる転職エージェントのキャリアアドバイザーにブラッシュアップしてもらうとより良い自己紹介ができるでしょう。